クラウドサービスの比較表

Mar 13, 2018  

クラウドサービスは AWS, Azure, Google を中心として、IBM, Oracle, Alibaba などもサービスを提供しています。 サービス個別の内容は各社のサイトで確認できますが、プロバイダー×サービスとなると組み合わせが膨大過ぎて俯瞰すら難しくなっています。 選択肢が増えすぎて何を選べば良いか分からない、という状況に直面することも多いことでしょう。

100項目程度と量が多いことに変わりはありませんが、以下のサイト - Public Cloud Services Comparison - でプロバイダーごとのサービス比較表を確認できます。

発端は Microsoft Azure と Amazon Web Services を比較したこちらのスライド - Microsoft Azure vs Amazon Web Services (AWS) Services & Feature Mapping - であり、比較表のデータを含めソースコードは GitHub - ilyas-it83/CloudComparer - で公開されています。

個別に見ると数が多いので全体的なカテゴリを俯瞰し、AWS, GCP, Azure のアイコン集から各プロバイダーの分類を確認します。

Public Cloud Services Comparison のカテゴリ

Public Cloud Services Comparison の 11-Nov-2017 バージョンでは最上位カテゴリは18項目あります。 リストの上の方は基本的な IaaS や PaaS、下の方はそれらを組み合わせた SaaS といったイメージです。 途中、開発および運用のツールとサービス、認証管理やセキュリテイに関するサービスがあります。

カテゴリの一覧と、カテゴリごとのサービス数は以下の表のようになっています。 サービスごとに各プロバイダのサービス有無がマッピングされていますので、全体を眺めるにはサービス数を意識して比較表を見ると良いでしょう。 なお、比較表の1つのサービスに対して各プロバイダでは複数サービスが存在することもありますし、各プロバイダの同じサービスが比較表の複数のサービスに出現することもあります。

Category #Service
Compute 11
Storage 5
Database 4
Migration Services 6
Networking & Content Delivery 7
Developer Tools 2
Management Tools 10
Disaster Recovery Services 1
Security & Identity, Compliance 10
Big Data & Advanced Analytics 7
Artificial Intelligence 4
Mobile Services 8
Application Services 8
Business Productivity 2
Software MarketPlace 1
Internet of Things 3
Game Development 1
Development & Testing 1

カテゴリごとのサービス数が10を超えているものは、Compute, Management Tools, Security & Identity, Compliance の3つがあります。 いずれも基本的な機能と言えますが、分類してみるとより細分化できることが分かります。

Application Services には分類が悩ましいサービスがまとめられています。 言い方を変えると、メディア処理やブロックチェーンなど各社の特色が出ていると言えるかもしれません。 Business Productivity は Microsoft の Office 365 と Google の G Suite が有名ですが、AWS もいくつかのサービスを提供しています。

また、様々な文脈で出現する AI と IoT は各社各様のサービスがあるものの、ここでは以下の観点で分類されています。 もちろん個別のサービスがカバーする範囲はプロバイダーによって異なりますが、サービスの数を見るだけでもプロバイダーごとの注力ポイントが分かります。 IBM Cloud におけるワトソン関係の充実はイメージ通りではないでしょうか。

AI (Artificial Intelligence):

  • Language Processing AI
  • Speech Recognition AI
  • Image Recognition AI
  • Machine Learning

IoT (Internet of Things):

  • IoT Platform
  • IoT Development Solutions
  • IoT Hardware

なお、企業や部門の買収によるサービス拡大もありますので、現在と将来では勢力図の大幅な変更も予想されます。

AWS のアイコンセット

AWS はアーキテクチャーセンターのサイトで AWS シンプルアイコン を公開しています。 パワーポイントバージョンの2ページ目には目次があり、これが全体像の分類としては分かりやすいでしょう。

v18.02.22 バージョンでは以下の分類となっています。

  • Compute
  • Storage
  • Database
  • Networking & Content Delivery
  • Migration
  • Developer Tools
  • Management Tools
  • Security, Identity & Compliance
  • Analytics
  • Artificial Intelligence
  • Internet of Things
  • Contact Center
  • Game Development
  • Mobile Services
  • Application Services
  • Messaging
  • Business Productivity
  • Desktop & App Streaming
  • General
  • On-Demand Workforce
  • SDKs

Public Cloud Services Comparison の比較表ではまとめられてしまっていますが、Contact Center や Messaging は用途によっては差別化要因になります。 とは言え、先行して業界を牽引し続けていることもあり、サービス全体のカバレッジでは群を抜いています。 しばらくするとこのリストも長くなっていくと考えられます。

GCP のアイコンセット

GCP も アーキテクチャ図用のアイコンのライブラリ を公開しています。 サービスのアイコンだけでなく、一般的なものから特定用途のものまで構成例が豊富に用意されています。

サービスの分類は以下のようになっています。(2018年3月初旬のバージョン)

  • Compute
  • Big Data
  • Identity & Security
  • Internet of Things
  • Machine Learning
  • Storage & Databases
  • Management Tools
  • Networking
  • Developer Tools

AWS との記載の順番の違いは、サービスとしての優先度や推奨度を表していると言えなくもなさそうです。 BigQuery を始めとした Big Data が2番目に来るのは特徴的です。

また、特定用途の構成例 (Diagram Examples: Specific) の目次です。 リファレンスアーキテクチャやケーススタディの構成を、デジタルデータとしてコピーしてすぐに使えるのは便利です。

  • Media
  • Gaming
  • Digital Marketing
  • Internet of Things
  • Financial Services
  • Dev Test
  • Backup and Archive
  • Websites
  • Mobile
  • LifeSciences
  • Retail
  • Big Data

Azure のアイコンセット

Azure はダウンロードセンターで Microsoft Azure, Cloud and Enterprise Symbol / Icon Set が公開されています。

ただ、Azure のドキュメントの Icons and other assets for architectual diagrams を読む限りは、 上記の AWS と GCP に比べてシステム構成図への利用にはあまり注力していないようです。

運用

機能面は比較表で確認しやすい部分ですが、実際に使ってみると想定と違ったという事態も多々あります。 AWS では Well Architected Framework というホワイトペーパー (PDF) を公開おり、その中で以下の5つを柱 (Pillar) として挙げています。

  • Operational Excellence
  • Security
  • Reliability
  • Performance Efficiency
  • Cost Optimization

いずれも実際に使ってみると出てくる課題ですので、運用設計においては非常に参考になるでしょう。 なお、Well Architected Framework の初版には Operational Excellence は含まれず、4本の柱でした。 ホワイトペーパーも更新してくれるのは、利用側としては嬉しいポイントだと思います。

まとめ

Public Cloud Services Comparison のカテゴリの一覧を見てみました。 クラウドで広範に渡って数多くのサービスがあるのは嬉しい反面、選択が難しくなっている課題があります。 上記のようなカテゴリを切り口として、欲しい機能の取捨選択や優先順位の検討への参考となるでしょう。

機能だけでなく、運用も大きなトピックと言えます。 マネージドサービスの適用範囲や、サーバレスやコンテナ環境への取り組みも合わせて考えておくと、現状と今後のギャップを分析できます。 各社とも事例がたくさんありますので、要件に合わせて読み比べてみると良いでしょう。